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いつでもBom Apetite!

I'm in Hong Kong ― シノワ食器工房へ行く ―

2018/11/06 20:09 お買い物 旅行・お出かけ

 私が香港駐在を終えて帰国し、日本での生活が落ち着いてきた時に残念に思ったことは、香港製のモノをあまり持ち帰らなかったことだ。


 買ってくれば良かったと後悔したものの中に、中華柄の食器がある。香港にいたときには当然、毎日ウンザリするくらい見ていたのでその価値に気づかなかったのだが、日本にいると欲しくなる。カラフルな中華柄の皿に中華料理を盛って食卓に出したら、さぞ雰囲気が出るだろうに、なんてね。


 さて今回、九龍湾にシノワ食器工房があるという情報をつかんだ。それはさっそく、行・か・な・く・て・は!


 そこは香港地下鉄・九龍湾駅から徒歩10分ほどのところにある、典型的な香港の工業ビルの中の3階。様々な工場が入っているため、エレベーターも荷物運搬用の、広くて頑丈そうだけど、薄暗くガタガタと縦に揺れながらゆっくりと上り下りするタイプのもの。初めて足を踏み入れるには勇気がいりそうだけど、私は香港でこんな工業ビル内の会社や工場に営業回りしていたので、懐かしい気持ちで乗り込む。


 こちらの工房は1928年創業、ペニンシュラホテルなどの食器の絵付けをしており、商品を卸す際の検品で残った品を格安で販売しているのだそう。奥では実際に絵付けをしているところを見ることもできる。



 狭い店内には、床から天井まで、おびただしい数の食器が山積みになっていた。最初に足を踏み入れた時、「ひと酔い」ならぬ「食器酔い」でクラッとしたほど。目に飛び込んできた情報量が多すぎて、脳みそが処理できなくなったらしい。


 細心の注意で一歩一歩足を運ばないと、雪崩が起きて大参事になりそうな予感すらする。乱雑に積まれた食器の下のほうを見たくても、上の食器をどけるのに大分時間がかかり、お客さんは自然と無口になって指先を埃まみれにしながら作業にあたっている。


 すべて手作業で絵付けをしているため、同じ柄の皿でも、一枚一枚少しずつニュアンスが異なる。食器の山をかき分けてお気に入りの一枚が見つかると、大きな達成感と共に、その一枚とのご縁を感じたりもして。


 本当は欲しいものがたくさんあったのだが、最終的には角皿を一枚だけ購入した。どんな料理を盛ろうか、今から楽しみだ。

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