「ういろう」は名古屋のお菓子だとばかり思っていたが、先日山口に行った際、同行者に「山口のういろうも美味しいのよ」と教えられた。
調べてみると、実は「ういろうが名物」という土地は日本のあちこちにあるようで、小田原や京都などは有名なのだそうだ。そういわれてみれば、京都で6月に食される「水無月」という和菓子の構造は、「ういろう+小豆」だったっけ……。
他の地域のういろうの多くが米粉を用いて作られるのに対し、山口のういろうはわらび粉が用いられるため、食感が異なるという。しかも「出来立て・蒸し立て・賞味期限2-3日間」の「生ういろう」というものがあると聞き、これぞ現地調達ならではと飛びついた。
食してみると、柔らかな歯応えとサラッと後に残らない上品な甘み。確かに、歯でプツッと切れるような心地よい弾力のある名古屋ういろうとは食感も味わいも異なる。
ういろうってあまり身近なお菓子ではなかったのだが、美味しいものだなぁと見直した。全国各地に少しずつ異なる「ういろう」が存在するというのも面白い。山口ういろうを紹介下さった方とは、今度あちこちのういろうを集めて食べ比べしてみようと話しているところである。
そうそう、神戸にも「ういろう」があり、こちらは米粉+葛粉のハイブリッドバージョンらしい。ういろう食べ比べの際には、神戸ういろうも買っていかなくちゃ。