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いつでもBom Apetite!

実証実験 モナカは謝罪の助けになりえるか

2015/11/16 21:05 お菓子 お買い物

 「切腹最中」をご存知だろうか。「忠臣蔵」の発端となった浅野内匠頭切腹の舞台である田村屋敷跡にある老舗和菓子屋の看板商品で、その名の通り腹(=最中の皮)が割れるほどに餡がぎっしりと詰め込まれた最中である。


 私は社会人として働き始めた時に「取引先に謝罪に行く時の手土産はコレ」と紹介されて知ったのであるが、幸いなことに切腹モノのミスを犯すようなこともなく月日は過ぎてゆき、実物にお目にかかることも購入する機会もないまま忘却の彼方へと消え去っていった一品である。


 ところが最近、社内で切腹最中とニアミスした。隣の部署の取引先が持ってきたのだと言って、秘書さんが配り歩いていたのだ。「何だかこの辺りの名物なのだそうで……」と秘書さん。そう、昨年秋に移転したわが社のオフィスと件の和菓子屋とは、目と鼻の先なのである。


 さて先週、私たち夫婦は久しぶりに喧嘩をした。非はこちらにあった。謝ったものの、ダンナの機嫌は良くなりそうでならない。ふと、切腹最中の店がオフィスに近いことを思い出して、買って帰ってみようかな、と思う。ついでに生来の貧乏根性ゆえ、ついつい「一挙両得」を狙ってしまった。すなわち、①切腹最中でダンナが機嫌を直したら、以前から抱いていた「謝罪の言葉+最中でジャパニーズサラリーマンは許すか」という疑問と、②そもそもこの最中は美味しいのか(謝罪の手土産に持って行って味がイマイチだったら目も当てられないし)という疑問に答えが出るかも、と思っちゃったのである(ついでに③うまくすればブログのネタになるかも、とも思った)。


 金曜日の夜、仕事を早々に切り上げて徒歩で店に向かった。早々に切り上げたと言ってもそんなに早い時間でもなかったのに、店内はキリッとネクタイを締めたスーツ姿のサラリーマンで一杯であった。あらかじめ「謝罪に行く時はコレ!」と教えられていたせいか、いずれのサラリーマンも表情が深刻そうに見える(そう見えただけかも)。ショーケースの中には「切腹最中」セットの他、「切腹最中」と「景気上昇最中」とが半々で入った「営業セット」も……、つまり「粗相を謝り、かつ取引先の景気上昇を願う」時に持って行くってこと?! 思わず「その営業用セットを3つ」と注文しているサラリーマンに用途をインタビューしそうになった。


 帰宅が遅いダンナの部屋に「切腹最中」を置いてから先に休んだのだが、翌朝ダンナは「切腹最中受け取りました……、今回の件は水に流すということで」と言って和解に応じた。予想外に呆気なかったので、思わず「え、それでいいの?!」と問い詰めたところ、「切腹までされちゃったら許すしかないじゃない……」だって。


 その後二人で味見をしてみたのだが、中に入っている粒餡はコクのある甘さで、中に入っているモッチリとした求肥が餡の甘さの良い緩衝材となりいくつでも食べられそう。商品名だけでなく、美味しさもインパクトのある一品であった。


 というわけで、「切腹最中」は我が家のジャパニーズサラリーマンの心を動かし、また最中そのものも大変美味しく謝罪を受け入れる相手を十分満足させるクオリティであることが実証された。ただし試験サンプルはたった一名で、しかも大分選択バイアスがかかっているものと思われるため、正確な実証結果を得るためには今後より多くのサンプルを用いて得た結果を積み上げていく必要がある。……と思ったけど、これ以上謝罪目的でこの最中を買うことがないようにしたいものだ。

 

 


 


 

 

 

 

 

 

 


 

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